全く同じような腰痛でも、筋肉の強張り具合はみんな違う。
強張りがゆるんでいく速さも違う。その形状も触った感じもやはり違う。
回復度合いも当然違ってくる。
もちろん年齢によってもまちまち。

そして、関係ないように思えるかもしれないが、その患者さんの雰囲気に(明るい・暗い・疑心暗鬼・信頼感・何かをケチっているなどなど)によっても大きく違ってくるのが、私の実感。というより施術家の多くの先生はそう実感していると思う。

その症状の裏にあることは我々には見えない。
慢性化すればするほど、症状が悪化すればするほど、その裏にあるものは複雑に絡み合い、積み重なる、その部分は見えないし、分からない。

「(治るのに)いつまでかかりますか?」
この(患者さんの)問いに経営コンサルタントは「答えろ」という。

入院させて、全生活をコントロールしている状況なら話はわかるが。

本当に急性的なものならば、大方の範囲はあろうが、慢性的な症状には見えない部分、日常の生活の不明な要素が多くあるので分からない。
分からないことを分かったように答えるのが誠実か?

分からないことなので、当たらなくて当たり前なのだから、これで患者さんとの関係性は無駄にしかも簡単に壊れる。
そして、分かったような答え方をした施術側のほうが悪いことになってしまう。お互いにとって多分良くないと思う。
「これから施術を継続して良くして行きましょうね」というスタート時点なら、希望があっていいかもしれない。
思い通りに良くなっていけばいいだろう。
しかし、そんなに甘くない。慢性症状は。

だから、分からない時はなるべく分かったようなことは言わないようにしている。

データを取ったところで平均は出て、参考になるかもしれなが、そんなあてにならない参考を一人ひとりの患者さんは知りたいのではない。
と思う。

百人百様  【三省堂 新明解四字熟語辞典】より
人は、めいめいがそれぞれ違った考え方ややり方をするということ。百人いれば、百種類のありさま・すがた・かたちがあるという意。▽「百」は数の多いこと。「様」はすがた・ありさまの意。