まだ、伝説の指圧師増永先生のご著書「経絡と指圧」を読みこなせてなかった、数年前のことです。

この本には「腹診」というお腹を手で(服の上からですが)圧して、体の状態(経絡)を知るという技術があります。

 

数年前、「朝、起きがけのときの腰痛がすごく気になるんです」という方が来院されました。

その当時は、筋肉のこり、体の歪みがその症状の原因だと思い込んでいましたので、腰から背部の筋肉の突っ張り、強張りを緩めるように施術しました。気のエネルギーも併用したと思います。

 

しかし、何かしっくり来ないのです。そこが原因だと明確に分かる手ごたえが感じられないのです。

それでも、強張りは緩やかに弛んでいきましたから、これで治るはずと施術は継続していきました。

・・・が、患者さんにもあまり手ごたえがあるのか無いのか分からないようで、やはり施術は継続していきました。

 

そして、3回目か4回目あたりに、

「3日間、禁酒してみたんですよ。そうしたら腰が何となく楽になってきて・・・」というではありませんか?

私は「え?!」と思い、とっさに「あ、それは良かったですね」と取り繕いましたが、このことは後までずっと気になっていました。

もちろん、内臓の不調が腰痛の原因になることもあることは知っていましたが、この方はそんなことは訴えていませんでした。

過去の病歴は当然、お聞きしていましたが、そんなことは「全く無い」といわんばかりの「大丈夫ですが」という感じでした。

 

しかし、その患者さんのお話に嘘はなかったと思いますし、隠していたようにも思えません。

と言うことは、やはり内臓のどこかに何かの原因があったと認めざるをえません。

我々、手技療法をやっている立場では、理論より現実の結果のほうが重要だからです。そこから推論していきます。

 

 

これが、後でわかりました。

増永先生のご著書を読んで納得です。

※増永先生の経絡説は一般的な(特に鍼灸でつかう)経絡説とは、違った概念で考えております(だからややこしいのですが)。

「経絡」というものを、よく理解していれば、手に取るように分かっていました。

 

この経絡治療というものは、やってみると「何で?」という変化が起きます。

筋肉・骨格治療での考え方(つまり西洋医学的な)では、なかなか理解し難いものですが、これが私には合っているみたいです。患者さんの症状にも、経絡の流れが、つまり気血の流れがよくなる「結果として」、よい変化が現れます。それは私の想定外のときも多々あります。

 

我々手技療法で対応できるレベルとしても内臓から来る症状もあるのですから、脳からくる症状もあると思います。

面白いです。